交通事故の損害賠償は逸失利益も対象になる!補償される損害とは?

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後遺障害認定

交通事故の被害に遭ったときには、さまざまな不利益が発生します。このような不利益の補償について加害者や保険会社と相談するのが、いわゆる示談交渉と呼ばれるプロセスです。ここでは、交通事故で発生する損害の種類や、補償される損害についての情報をお伝えしていきます。こういった情報は、示談交渉始める際にも知っておくと役立ちます。

交通事故の損害賠償には種類がある!

交通事故に遭った場合に被害者が請求できる損害賠償は、実のところ1種類ではありません。損害賠償は、その内容によって積極損害、消極損害、物的損害、慰謝料の4つの種類に分かれています。

例えば、交通事故で怪我をした場合、病院を受診して医師の診察や検査などを受けることになります。場合によっては、入院や手術をするケースもあるでしょう。運動機能にダメージを受けたときには、リハビリなども必要になるかもしれません。こういった治療に伴う費用は、積極損害というカテゴリーに該当します。

ちなみに、被害者や同乗者が死亡してしまった場合の葬祭費用もこの積極損害です。また、怪我をすると通院や治療のために仕事を休まなければならないことが出てくるでしょう。このような休業に伴う損害は、消極損害に分類されます。消極損害は、交通事故が発生したことで生じる将来的な損害です。被害者、同乗者に後遺障害が残った場合、死亡してしまったときなどに発生する逸失利益もこの消極損害に当たります。

物的損害は、交通事故で破損した車の修理費用などが主な対象になります。車両が大破してしまったときには、車の時価総額を元に損害額を算出するのが一般的です。この場合、時価総額を超えて支払った修理費用などは認められない可能性があります。

慰謝料は、入院や後遺障害、死亡が対象になる損害賠償です。被害者が負った精神的、肉体的な苦痛をカバーするのがこの慰謝料の目的であり、人身事故の場合には多くのケースで発生します。慰謝料は、一定の基準に沿って算出されるのが一般的です。入院期間や後遺障害のレベル、死亡した人の年齢などによって大まかに金額が分けられています。

逸失利益ってなに?

消極損害の1つである逸失利益は、交通事故の示談交渉でも1つの焦点になってきます。治療費のような積極損害に比べて領収書などの判断のベースになる書類がないため、示談交渉の進め方如何で認められる損害額が変わることもあるのがこの逸失利益の特徴と言えるでしょう。

逸失利益は、簡単に言えば交通事故が起こったことで失われた将来的な利益です。例えば、就業中の方が交通事故によって身体的な障害を抱えた場合、同じ仕事を続けられなくなる可能性がでてきます。障害の程度によっては、より給料の安い短時間勤務の仕事に転職しなければならないケースもあるでしょう。このようなときには、当然のことながら収入が減るという経済的な損失が発生します。障害が重く、仕事に復帰ができなくなった場合は、以後の生活費が得られなくなってしまいますので、損失はさらに大きくなるでしょう。また、一家の大黒柱が死亡してしまったときには、本人だけではなく家族が生活するための生活費も失われてしまいます。こういった損失が発生した場合、被害者が健康な状態であれば得られたはずの経済的な利益は、逸失利益として扱われます。

交通事故によって身体的な障害が残ったときには、症状が固定するまでの治療費は基本的には全額カバーされます。ただ、一旦症状が落ち着いて、いわゆる固定してしまった状態になると、何らかの不調が残っていても治療費が補償されないケースがあるのが厄介なところです。この手のケースでも、例えば仕事や日常生活に引き続き支障が生じているような場合は、治療費としてではなく、逸失利益として新たに請求できる可能性があります。

逸失利益が認められるか否かは後遺障害のレベルで決まる?!

逸失利益は、被害者が死亡してしまった場合には比較的スムーズに認められることが多いです。一方、交通事故の示談交渉でも問題になりやすいのが、後遺障害が残った場合の逸失利益です。

交通事故によって生じる障害は、後遺症と後遺障害に大きく分かれています。むち打ち症など、日常生活にさほど大きな影響を与えない症状の場合は、単なる後遺症として扱われるケースが少なくありません。一方、脳の機能低下などの重大な障害が残った場合は、後遺症よりも重症度の高い後遺障害として認定されます。後遺障害は、障害の程度に応じて複数の等級に分けられています。逸失利益を算出するときには、実のところこのような後遺障害の等級が、1つの判断材料になってきます。ちなみに、この後遺障害は症状の重さによって14の級に分類されます。例えば神経や精神などに大きな障害が残り、常に介護が必要になった場合には、1番重症度が高い1級に該当する可能性があります。また、失明や体の一部を失うといった状態も、1級の要件の1つです。このような後遺障害の等級に分類されている症状の場合は、失った利益が非常に大きいと解釈されるため、逸失利益も大きくなるのが一般的です。労働能力を喪失したとみなされるため、失った分の損失が逸失利益として認められる可能性がでてくるわけです。

交通事故の後遺障害で実際に支払われた逸失利益は、過去の裁判事例などを見ることで大よその金額を把握することが可能です。自身の状況と似ているケースの裁判事例を見れば、どのくらいの逸失利益が発生するのか、大体の金額を把握することができるでしょう。

補償される金額は保険の種類によっても変わるのが一般的

交通事故の損害の補償は、通常は加害者が加入している自動車保険を利用して行われることになります。ただ、このような場合に少し注意したいのが、どのような自動車保険を使うかという点です。多くのドライバーは自賠責保険と任意保険の両方に加入していますが、中には任意保険に加入せずに、保険は自賠責保険のみという方もいます。交通事故で下りる保険金の金額は、保険の種類によっても大分変わります。

例えば、ドライバーが必ず加入しなければならない自賠責保険は、補償される金額が一般的に低く設定されています。小さな事故の場合に過失相殺がないなど、一定のメリットがあるのが自賠責保険の良い点ですが、補償される金額は概して少なめです。必要最小限の金額はカバーされますが、逸失利益などを含めて十分な補償を受けたいときにはデメリットを感じることがあるかもしれません。この自賠責保険の場合は、被害者側から保険会社に保険金を請求することもできます。ただ、期限が決まっているため、タイミングを逃すと請求そのものができなくなる可能性がある点は要注意です。

任意保険は、補償の限度額などが幾分大きく設定されているケースが多いです。こういった任意保険にはさまざまな特約がありますので、状況によっては保険金の金額も高くなるケースがあるでしょう。自賠責保険で十分な補償が受けられない場合、実のところこのような任意保険が残りの金額を補ってくれることがあります。ただ、任意保険の場合は過失相殺などの判定が細かく、認められる金額がかえって少ないこともあり得ます。

こういった自賠責保険や任意保険で万が一金額が足りないというときには、弁護士を通じて損害賠償を請求することも可能です。被害者側が独自に弁護士に依頼をすれば、納得できるような結果を得ることも不可能ではなくなるでしょう。

交通事故の際には自分サイドの判断が大切になる!

交通事故の被害者になってしまった場合、加害者や保険会社のペースにのせられてしまうことも考えられます。こういった状況を避けるためにも、自分サイドで情報を集めておきたいところです。弁護士の無料相談サービスなどを利用すれば、受けた損害の種類や請求できる金額を把握しやすくなります。示談交渉に臨む前に、しっかりと準備をしておきましょう。